博士課程の面接に備えて想定問答してみよう
学術研究におけるキャリアの中で重要な部分となる博士課程。そこに至る最初の関門「面接」は、自身の研究に対する意欲や考えをアピールできる絶好の機会です。面接に備えて、よく聞かれる質問と回答を準備する際に留意しておくポイントを解説します。
面接で質問される内容
大学院や学部、分野によって異なりますが、質問は大きく分けて下の2つに分類されます。
博士課程に進学したい理由
・なぜ博士課程に進学したいのか?
・この大学院/学部を選んだ理由は?
・修了後の進路は?
研究に関する質問
・今まで行ってきた研究は?
・なぜその分野の研究をしてきたのか、これから何をしたいのか?
・博士課程で行いたい研究の課題と解決するための研究の進め方についての考えは?
自分が行ってきた研究などについてプレゼンテーションを求められることもありますので、面接で何を求められるのかを事前に確認するとともに、自分が聞きたい事(博士課程に進む上で確認しておきたいことなど)を準備しておくことをお勧めします。
面接で対面する人
博士課程面接で面接官を担うのは次のような方です。
1. 志望している研究室の教授や研究責任者
2. 研究内容に関係する他の研究室の教授や部門の長(学科長、学部長など)
3. 大学の入試担当者
面接官は、応募者の希望と研究室が合っているか、研究者として論理的に物事を考え、他者に自分の考えを的確に伝えることができるかを評価します。
想定される質問
以下に想定される質問と回答を準備する際に留意すべき点を紹介します。これらを参考に自分なりの回答を考えてみてください。
Q. 博士課程に進学する理由は?
なぜその大学院/学部で、その分野の研究を行いたいと思ったのか、博士課程での研究を通してどのようなスキルを身に着けたいか、具体的に話しましょう。
希望する研究室があれば、その理由も併せて説明できると更に良いでしょう。
Q.博士号取得後の進路は考えているか?
研究者の道を進みたいのか、外部研究機関への就職を考えているのか、率直な考えを伝えましょう。
長期的で現実的なキャリア計画について自分の考えを伝え、博士号取得が自分の計画においてどのような位置づけになるか、その研究が社会にどのように役立てると考えるかなどを含めて伝えられると良いでしょう。
Q.この分野における研究課題は何だと思うか?
この質問は、応募者の研究内容への理解度や日頃から情報収集しているかをチェックするものです。該当分野について何を知っているのか、何が課題だと考えているかを伝えましょう。
自分が該当分野での研究を行っていた経験などがあれば、その内容を軸に話すと良いでしょう。
Q.研究室、あるいは博士課程について何か聞きたいことはありますか?
面接官から逆に質問があるかを聞かれた場合は、応募者の博士課程に対しての理解度や、興味・関心の度合いをチェックしています。それまでのやり取りで生じた疑問点の他に、以下のような項目を聞いて見るのも良いでしょう。
- 博士課程における研究発表の機会の有無や頻度
- スキルアップに対する支援やトレーニングの有無
- 輩出している研究者の人数
- 先輩の就職先
- 助成金の確保手段
- 奨学金の有無
面接といった公式な場以外にも、研究室訪問や研究室メンバーとの交流といったオリエンテーション活動において評価される場合もあります。そのような場に参加する際にも気を抜かずに、しっかり自分の考えを整理しておきましょう!
面接時に意識しておくべき5つのポイント
最後に面接に臨む際に意識しておくべき5つのポイントを紹介します。
- 自信を持って熱意を伝えましょう
- 面接の時点までに自分が行ってきた研究、および今後取り組みたい研究の内容をわかりやすく説明しましょう
- 「はい、いいえ」だけで回答しないようにしましょう
- 外見に気を配り、身だしなみを整えましょう
- きちんとした言葉を選びつつ、率直に話しましょう
博士課程の面接では、研究についての質問が大半を占めることになりますが、一般的な質問に対する準備も大切です。とはいえ、想定問答を丸暗記したのではちぐはぐな答えになりかねません。想定される質問に対して自分の考えをしっかりまとめ、簡潔かつ的確に答えられるように万全の準備を整えて、リラックスして臨めるようにしてください。
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