就活に役立つ!LinkedIn活用法
世界中に5億人ものユーザーがいるビジネス特化型SNSのLinkedIn――このサービスが就職活動に活用できるのをご存じですか?LinkedInに自分のプロフィールを載せておくことで人脈が広がるだけでなく、仕事を見つけるのにも役立つかもしれないのです。今回は就職活動を念頭に、ネットワークを広げるLinkedInの効果的な活用法を見ていきましょう。
■ プロフィールで自分を売り込む
LinkedInのプロフィールにはたくさんの情報を掲載することができます。自身の顔写真や経歴、研究内容のスライド、自己PRの動画、さらには研究論文やソーシャルメディアへのリンクも掲載できるため、通常の応募書類に記載できる情報よりもはるかに細かく、自分をアピールすることができます。研究分野での功績を掲載するのと合わせて、同僚からの評価や、専門分野におけるスキルを保証する推薦文を追加することもできます。
また、LinkedInはSNSなので、多少カジュアルな書き方もOKです。提出用書類では使わないような流行語(buzzword)や、研究者同士で使うようなくだけた用語などを使って、読み手の興味を引き付けるのもよいでしょう。
プロフィールを作成する際、研究分野での実績を強調することはもちろんですが、特技やスキルなどのプライベートな一面を載せておくことも有効です。自分の研究分野には直接関係しなくても、他の分野や仕事につながる可能性があるからです。また、多様なスキルや趣味を持っていることはその人自身の魅力にもつながるでしょう。研究実績だけでなく、個性や魅力を最大限に引き出すために工夫してみましょう。
ただし、ダラダラと書き込み過ぎるのはNGです。あれもこれもと欲張りたくなりますが、長々と仔細に書かれたプロフィールを隅々まで読んでくれる人はそういません。LinkedInのプロフィールは、相手に自分のことをもっと知りたいと思ってもらうためのマーケティングツールです。パラグラフを短めに整えて見出しをつけたり、文章を補足する画像を数点入れ込んだりすれば、読み手は内容をぐっと理解しやすくなります。
LinkedInなら書式にこだわらず、プロフィール項目の順番を入れ替えることも可能です。研究成果、目立たせたい経験やスキルなどを効果的に配置し、戦略的に自分を売り込んでみましょう。
■ ネットワークをつなげて人脈を作る
プロフィールができたら、LinkedInでの本来の目的である人脈作りを進めていきます。ネットワークを作るために、まずは知っている人たちとつながることから始めるのは、他のSNSと同じです。同じ研究機関に勤める人たち、出身校が同じ人たち、さらには家族や親せきなどともつながっておくのもいいでしょう。
LinkedInには、知り合いの可能性があるユーザーを表示してくれる「もしかして知り合い?」という機能もあります。これまで自分がつながってきた人や他のユーザーとの共通点をもとに自動で表示されるので、ネットワークを広げたければ、学術的な実績だけでなく趣味なども登録しておくとよいでしょう。また既につながっているユーザーに対しては、自身の推薦を依頼したり、推薦文を書いてあげたりすることも可能です(その内容はプロフィールページに表示されます)。
LinkedInのユーザーは、世界中で5億人。思いがけないところから、自分のキャリアに重要な影響を持つ人と出会える可能性があります。自分の研究分野の人の集まりや特定のテーマに興味を持った人の集まりなど、たくさんのグループがあります。積極的に参加するところから始めて、ネットワークを拡大していきましょう。議論に参加すれば、新しい知見が得られるかもしれません。
■ LinkedInはビジネスツールとして利用する
LinkedInは多くのユーザーとつながることを可能にしますが、見ず知らずの人たちとつながることに不安を覚える方もいるでしょう。確かにFacebookのように、個人情報の取り扱いが問題になっているSNSもあります。しかし、FacebookやTwitterのような情報収集や拡散を目的としたSNSとは違い、LinkedInはあくまでもビジネスの人脈形成を目的としたSNSです。海外ではビジネスパートナーを探すことや、優秀な人材をスカウトすることなどに活用されており、ネットワークを広げることで新たなチャンスを得られるメリットのほうが、何らかのトラブルに巻き込まれるリスクよりも大きいと考えられています。もちろんプロフィールやネットワークを見て相手がどのような人かを判断するのは比較的に容易ですので、忘れずに行いたいところです。
明確な目的を持った場であるゆえ、利用する側のマナーもある程度、担保されています。仕事のエキスパートであり、かつビジネスマナーを踏まえていることが前提なので、安易な冗談や政治、宗教に関する自身の思想を投稿することは控えるべきでしょう。発言は、あくまでもプロフェッショナルとして、中立的な立場で行うべきです。
SNSが普及した近年では、就職したい先にレジュメを送るだけでは埋もれてしまい、興味を持ってもらえないことも多々あります。他の応募者と同じことをしているのでは、希望する職に就くことは容易ではありません。そこで重要になるのが、個人的なつながりです。前もって少しでも接点があれば、人はそれだけで親近感を覚え、興味を持ちやすくなるものです。LinkedInが一役買ってくれる可能性は、大いにあります。
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