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第10回 これだけは覚えたい!プレゼンQ &Aの決まり文句

英語 での国際会議におけるプレゼンのコツをお伝えする集中連載も今回が最終回となります。本番まで準備と練習を重ね、当日の発表も無事終えてほっとひと息……としたいところですが、傍聴者とのQ&Aが終えるまで気は抜けません。Q&Aをうまく乗り切るコツは、先の記事で述べたようにプレゼン冒頭から聞き手に対する親近感を込めて話すことです。それでも、慣れないうちはやはり緊張しますので、決まり文句を頭の片隅に置いておきましょう。

    1. まず質問を繰り返す

“Your question is …”
質問を受けたら、必要に応じて一度繰り返します。広い会場では聞こえなかった人もいるかもしれませんので、聴衆全体への確認にもなりますし、その間に答えを考えることも出来ます。確認が済んだら、視線と意識は聴衆全体へ戻します。

    1. 質問が聞き取れなかったら

“Could you repeat the question more slowly?”
質問が聞き取れなかったら、定番のセリフで聞き返しましょう。率直に“I’m sorry, I’m not a native English speaker.”と言っても構いません。

    1. 質問が理解できなかったら

“I’m afraid I don’t understand your question. Could you say that in another way?”
質問者の英語が明確でない場合もあります。意味が分からなかったら率直に聞き返しましょう。

    1. 答えがわからないとき

“I’m afraid I don’t know the answer.”
“We didn’t look at it in our study.”
“We will look at it in our future experiment.”
“Sorry, that’s not my field.”
質問に対して答えられないときは正直に言うのが最善です。“I don’t know”に代わる上記のような表現で丁寧に返答しましょう。答えられない理由には、検討していない、現在検討中である、データがない、わからない、専門分野外であるなど、さまざまなケースがありますので、できれば理由を付け加えましょう。今後検討予定であれば、そのように付け加えましょう。

    1. 攻撃的な質問を受けたら

“That’s an interesting point. Thank you.”
“Thank you for your comment.”
Q&Aではあえて研究の弱点をつくような質問をする人や、的外れな質問をしてくる人、質問というよりも持論を展開してくる人がいます。そのような場合は冷静に、コメントに対する礼を述べる体裁にするのもひとつの方法です。

    1. 答えたあとに

“Does that answer your question?”
質問に答え終わったら視線を質問者に戻します。質問者から即座に反応がなければ、答えが適切であったかどうか確認をします。“Yes”の返事をもらえたら、次の質問を受け付けるサインとなりますので、是非このフレーズを覚えておきましょう。

本連載は今回で終了となります。国際会議でのプレゼンテーションに苦手意識を持っていた研究者の方々も、本連載をヒントに経験を重ねることで、口頭発表の醍醐味を感じていただければ幸いです。


キャラクター紹介:久里 夢存(Muzon Kuri)
日本の大学で材料工学を学び地元企業に就職するも、“独立型・移動式住居”開発の夢をあきらめきれず、再び大学でエネルギー工学を専攻。工学、生物学、建築学など多分野の研究者からなるプロジェクトチームに所属し、エネルギー自給型インフラストラクチャーフリー移動式住居[Self-Sufficient Camper(S.S.Camper)]を開発中。この度、国際住環境学会(“架空”)において同住宅の自然災害時における有用性について口頭発表することに・・。口演タイトルは、“Energy self-sufficient, infrastructure-free mobile house called Self-Sufficient Camper (S.S.Camper) provides both remote and on-site sheltering at times of natural disaster.”

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