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お高い掲載却下率に打ち勝つためには?(2)

お高い却下(リジェクト)率に打ち勝つための裏技の第2回です。前回は、投稿数を増やすことを目標に話をしましたが、今回は査読者の心を揺さぶる心理攻撃のお話です。「科学の世界にあるまじき……」などと固いことはいわずに、この意外に効果的な方法を有効活用してください。
1. 知り合いの輪を広げる
やはり知っている人の論文を査読するときには、通常より真剣になるものです。学会に足しげく通って、いろいろな人に自分の研究について知ってもらいましょう。 「ああ、これは去年の学会で隣に座った人がやっているといっていた研究だ」。そう思ってもらうだけで、「適当に読んで適当に掲載が却下される」といったことはなくなるでしょうし、仮に却下されても、より意義のある批評をもらえるでしょう。


2. 感謝の気持ちを忘れずに
知り合いの輪を広げるといっても、悪い印象を与えては意味がありません。ちょっとした食事の席の話でも、あなたの研究に対してよいアドバイスをしてくれた人の名前はきちんと控えておき、論文を書くときには“acknowledgements”として感謝の意を表しましょう。このさい、ジャーナルの編集者や査読者、助成金を出してくれた団体への感謝も忘れないように気をつけてください。
また、“acknowledgements”には、あなたの研究結果や主張に賛同してくれた人だけでなく、有意義な批判をしてくれた人の名前も忘れないようにしてください。どちらの場合も、名前を出されたくないという人もいるかもしれませんので、論文を投稿する前に、メールなどで了解を得ることをお勧めします。
3. 偏見は現実にあるもの
日本の場合、日本人だということに対する偏見はあまりないかと思いますが、学位を取得した大学院の名前や師事した教授の評判などにもとづく多種多様な偏見は、査読ジャーナルという世界でも現実の問題としてあります。もし自分が偏見の対象となっていると感じたら、偏見を持っていないジャーナルを探すことをお勧めします。
また、偏見の対象となっていない人との共同研究を経て、自分の研究者としての評価を確立するのも効果的でしょう。同じような偏見に耐えながらも多くの論文を出版している研究者がいたら、その人に相談するのもよい方法です。「偏見など絶対にない」などと理想に捕われることなく、現実にありえる問題として、果敢に(そして器用に)立ち向かうことが大切です。

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