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会食の場における英語の会話

一般社団法人 学術英語学会 では、毎年、セミナーを開催しており、その中でもユニークな企画として好評なのが「ソーシャライジングとネットワーキングのための英語」です。一般的に、日本人研究者がニガテとしているのが「ソーシャライジング」または「ネットワーキング」、いわゆる 研究者交流 です。親睦会などの場でどのように話しかけたらいいのか―今回はシリーズ第8回目です。

逃げられないformal dinnerの座席

じっと座って食事をいただくformal dinnerの形態は、席が固定されているため、右隣り、左隣、正面のゲストとどのように会話するかが大きな課題です。また、向こう三軒両隣、つまり斜め前方の両者も含めた6名全員が一つの会話に参加して盛り上がるということもあります。発言するかどうかは別として、少なくとも会話の内容についていけるかどうかがかなめになります。(だからこそリスニングの力はおろそかにできません。)

飲食と会話と移動がダイナミックに絡み合う立食

いわゆる立食の形態では、あらたまった着座形式の食事とは異なり、行動も会話も立体的になります。飲食する・会話するという二つの行為に、人の間を動き回る(=mingle, circulate)という行為が加わります。食事の話題という文脈で言えば、ビュッフェ(buffet)のところに行って食べ物をつつく、あるいは飲み物を取ってくる、と言った行為を伴いますので、それに関連する表現が会話の中に入ってきます。次のような表現は参考になるでしょう。

(ビュッフェのところで料理を見渡しながら)
Now, what can I have?
さてどんな食べ物があるかな?

Would you like to have …?
・・・をめしあがりますか。

I’ll have one of these. / I’ll have one of those there.
これを一ついただきましょう。/ それを一ついただきましょう。

(食べ物を勧めて)
Have you tried this …? It’s very good.
この・・・を食べてみましたか。とてもおいしいですよ。

(飲み物を勧めて)
Would you like a glass of wine?
ワインを飲まれますか。

(さらに飲み物を勧める)
A drop more?
もう少々いかがですか?

(少なくなった飲み物のグラスを一杯にしてあげようとする)
Do you want to fill up your glass?
グラスを一杯にしましょうか。
*イギリス英語では「つぎ足す」の意味で top upが使われる(Shall I top up your drink?)


崎村 耕二  (さきむら こうじ) 

日本医科大学 武蔵境校舎 外国語教室 教授。1957年生まれ。オックスフォード大学ウルフソン・コレッジ客員研究員、高知大学教授,京都工芸繊維大学教授を経て2013年より現職。一般社団法人 学術英語学会 代表理事なども務める。専門は、テクスト分析,言語表現論。現在、医学部で、医学英語の語源と語形成などを講義。英語コーパス学会会員、医学英語教育学会会員、Oxford Union Society (弁論部)終身会員等。著書に、『最新 英語論文によく使う表現 基本編』(25年以上のロングセラー改訂版)、『英語で明確に表現する』 、『英語で論理的に表現する』(以上、創元社)、『論理的な英語が書ける本』(大修館書店)などがある。

 

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