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ACS-KCS Excellence Award創設 栄誉ある最初の受賞者は

2017年4月24日、米国化学会(American Chemical Society; ACS)と韓国化学会(Korean Chemical Society; KCS)が3年間の連携協定を締結し、韓国化学界の優秀な研究者を表彰する賞としてACS-KCS Excellence Awardを創設したと公表しました。受賞者は、賞金とともに化学情報検索サービスSciFinderへの 3年間無料アクセスと、同じく3年の期限付きですが米国化学会(ACS)*1への登録が贈られます。このACS-KCS Excellence Awardは、ACSの情報部門であるChemical Abstracts Service(CAS)の資金提供を受けて設立され、韓国の化学分野における功績を表彰することで、研究の発展に寄与することをめざしています。ACSの専務取締役兼CEOのThomas Connelly Jr.博士は、KCSとの協定につき「たいへん光栄であり、韓国の科学の発展に貢献できることをうれしく思います」とコメントしています。
ACS-KCS Excellence Award の栄えある最初の受賞者は、現在、韓国基礎科学研究院(Institute of Basic Science; IBS)の院長であり、韓国科学技術院(Korea Advanced Institute of Science and Technology; KAIST)の教授であるSukbok Chang博士でした。Chang博士はACSが発行する学術ジャーナル『ACS Catalysis』の編集委員も務めています。同博士は、低反応分子の選択的C-H活性化反応を促す触媒システムなどを研究しており、韓国の有機金属触媒の化学分野で活躍しています。日本の一般財団法人 国際有機化学財団が授与する「吉田賞」を2016年に受賞したこともあり、アジアにおける有機化学研究を牽引している存在です。
ACSとKCSはExcellence Awardの創設以外にも、シンポジウムを開催するなどでも協力しています。2017年4月19日から21日にKINTEX(韓国の京畿道高陽市一山西区にある大型会議・展示施設)で開催されたKCSの春季大会では、ACSが「Chemistry for Next-Generation Materials and Life Sciences」と題したシンポジウムを主催し、各国の著名な科学者による基調講演などを盛り込みました。
ASCのConnelly Jr.博士はKCSとの協定を喜ぶとともに、化学を人々の生活向上に役立てるというASCのミッションは世界の研究者の協業なくして達成できないものであるとして、韓国およびKCSの研究者による学術の発展に貢献していく、と述べました。


*1 American Chemical Society(ACS):米国化学会
アメリカのワシントンD.C.とオハイオ州コロンバスに拠点を置く化学分野の研究を支援する学術団体。会員数は約157,000人と世界最大規模を誇る。複数の化学データベースの提供、査読ジャーナルの発行、学術会議の開催を行うが、研究自体は行わず、出版および査読研究に特化した活動を行っている。

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